https://www.makuake.com/project/fuyuhitoe/より
みなさんこんにちは。
インターネットによってたくさんの人々から支持と資金を集めるプロジェクト『クラウドファンディング』を紹介するインベスティです。
すっかり世間は寒くなってきましたが、同時に日本酒も恋しい季節になってきたのではないでしょうか?
そんな皆様へ、以前からご紹介を続けている『日本酒に関わるプロジェクト』を、再びご紹介していきます。
老舗酒造と大手メーカーがタッグを組む『冬単衣(ふゆひとえ)』
さて、今回は創業が天保11年(1840年)、170年の歴史を誇る埼玉県の老舗酒造『石井酒造』様に、かつて液晶技術で世を席巻した『SHARP』様が技術提供をして作られた新しい日本酒『冬単衣』をご紹介します。
まずは、紹介PVをご覧ください。
いやぁ、素敵です。
優しい音色とともに、まるで短編映画を観ているかのような美しい映像が流れます。
たくさんのプロダクトをご紹介してきましたが、この映像が一番響きます。
この日本酒は『マイナス2度で雪が解けるような新しい日本酒体験を』というコンセプトで作られています。
このお酒が持つフルーティーな味わいに、氷点下まで冷やした切れのある飲み心地が合わさり、飲んだ人に新しい感覚を味合わせてくれます。
温度で様々な色彩をみせる日本酒
日本酒の飲み方は、温度調節によって10段階に分かれます。
香りを抑え、口の中でほどけるように味が広がる『雪冷え』
やわらかな口当たりとともに、日本酒の香りと味を楽しむ『涼冷え』『冷や』
そして日本酒ならではの飲み方で、お酒を生み出す米の旨みを存分に引き出す『燗』
本来、5~50度前後が日本酒の楽しみ方、と言われてきましたが、あらたに『雪どけ』という新しい飲み方を提案しよう、という試みがされています。
日本酒は一般的に、冷やせば飲んだときの爽やかさが増し、温めれば香りは豊かで酒本来の旨みが味わえる、と言われています。
マイナス2度というのは凍る直前です。
口に含むとキリッとした飲み応え、口の中で温まればいっぱいに味と香りが広がる、そんな飲み心地を与えてくれます。
実現が難しい温度帯をなんと液晶技術が実現?
このマイナス2度を日本酒で実現するのが、意外と難しいのです。
一般的な冷蔵庫は冷蔵室が3~5度前後。
冷凍室はマイナス15度以下。
お肉や生ものを入れるチルドルームがマイナス1度前後、と近いですが日本酒の瓶を貯蔵出来る程の収納スペースがありません。
そして、一旦庫内から出してしまえば、気温によって瞬く間に温度が変化してしまいます。
このマイナス2度を維持するために投入されたのが、なんとSHARPが液晶で培った『蓄冷(蓄熱)技術』でした。
簡単に説明しますと、水は液体から固体に、固体から液体に変化する時、周囲の熱(エネルギー)を奪って変化します。
そして、液晶テレビでお馴染みのシャープは、液体の固体、液体に代わる沸点、融点を温度によって変化させる技術を研究してきました。水に様々な材料を混ぜれば、凝固点、融点を操作でき、凝固する際(相転移と呼ばれます)には周囲の熱エネルギーを奪うので、常温になると溶ける(周囲は熱エネルギーを奪われるので冷える)蓄熱材を内包した独自の蓄冷材を開発しました。
この蓄冷材を使用すると約二時間はマイナス2度をキープでき、100回程度は繰り返し使用できる魔法のような保冷バックが出来上がったのだそうです。
ちなみに、この『保冷バック』は冬単衣のヒットを受けて、今秋より一般販売されています。
[rakuten:emedama:10163268:detail]
元々、日本酒の出荷量が落ちる夏場に提案できるものを作りたいと考えていた石井酒造と、蓄冷材の活用方法を模索していたシャープがクラウドファンディングサイト『マクアケ』を通じて知り合い、素晴らしい製品を作り上げられました。
夏場の商品ですので、2018年11月時点では、販売が限られています。
石井酒造様は他にも伝統を踏襲しつつも意欲的な日本酒を製造されていますので、ご興味のあるかたは是非、ご賞味下さい。
既製品の概念を変えるクラウドファンディング
いやー、我ながら面白いプロダクトをご紹介できて、とても良かったです。
注目すべき点は、新開発の保冷バックや氷点下ぎりぎりが美味しい日本酒もですが、クラウドファンディングサイトが各技術を持つメーカーを繋ぎ合わせた所ですね。
ネットを通じで不特定多数の方に支持を呼びかけるだけでなく、こういった形でもどんどん活用していけば、更に楽しいプロジェクトが立ち上がるのではないのでしょうか?
将来がとても楽しみです。